隷族-ﾚｲｿﾞｸ-

『約束はいらないわ 果たされない事など大嫌いなの』

そんな歌い出しで始まる一昔前の流行り歌を思い出した。

男女関係の女性側の感情を歌い上げてはいるものの、この歌は深く心に引っ掛かっていた。

刹那的で危うい世界観の歌詞がどこか被虐嗜好的で私の好みだったし、当時付き合っていたS女性がよく歌っていたからだ。

その女性とは遠距離だったが深く恋に落ちた。
付き合った期間は短かったが、まだ若かった私は盲目的に燃え上がり将来の約束を交わした。

しかし、最終的にその約束が果たされることはなく、冒頭の歌詞の心境になったのは男である私の方だった。

約束、契約、決まり事、法律。
そんなもので雁字搦めなのは人間だけだろう。

守られない、守りがたいのを知っているからこそ約束するのだ。

動物は約束なんてしない。
生まれたままの姿で、あるがままの習性で生き抜く。
あるのはただ本能だけ。

そう考えたとき、自分がした約束は破られるべくして破られたのかもしれない。

あの日、心のどこかで守られないことを承知していたのだろう。

淫獣にあるのも勿論本能だけ。

それで全て腑に落ちた。

獣は獣らしく、本能に忠実に生きていこう。

放課後、一人一人と人気がなくなる校舎。
女生徒が教室に呼び出された。

成績が落ちたことを追求されながら課外授業がひっそりと開始される。

「先生。。。」



「ちゃんと答えられるまで許さないよ」

二人だけの個人授業はいつまでも続いていった。。。。



「よく頑張ったね、でも君の卒業証書はまだ預かっておくよ」

女生徒が解放されるのはいつになるのだろうか。。。

水面に映る縄一筋

私の腕に架かります



幾重にも廻された縄たちが

水中で硬張りながら責めてきます



優しく、ときに厳しく

水面と水中の縄はそんな表裏一体の関係に似ている



水面はまた心をも映し出す鏡

確かに体も心も絡み捕られた瞬間でした

最近、分かってきたこと。

『何を見るか』より『誰と見るか』



この世界はいつも驚きに満ちている。

いつも通る小道にすらもそれらは潜んでいる。

大事なのは気づけるかどうか。



今まで歩いてきた道のりと、一緒に見た風景たちがそれを教えてくれました。

雨がそぼ降る景色さえも、胸踊らす光景にさえ思わせてくれる何か。



そう、この世界にはたくさん隠されているんですよね。

貴女はそんな隠された『何か』を教えてくれた大切な人です。

貴女と歩きはじめてから、いろんな自分に気づけた。

生きてるあいだは常に驚きやひらめきに満ちていれる。



そう思わせてくれる存在になりえる人って、そんなに多くはないように思う。

貴女はそんな貴重な存在の一人。





悦びや苦しみを与える手。

その手も私にとっては貴重な手。

いとも容易く虜と化す。



肉に食い込めば食い込むほどに虜となる。